オウムの仲間
日本では「~バタン(巴旦)」という名前のグループで知られるオウムの仲間。白を基調としたものは白色オウム、黒を基調としたものは黒オウムと分けられる。特に黒オウム類はどの種も高価で入手しにくく、日本ではあまり見ることが無い。
白色オウムはべったりと甘えてスキンシップを好み、オウム飼育の魅力を存分に発揮する。ただし独特の叫び声は飼育すら躊躇させるものであり、万全の対策を練っておかないと泣く泣く手放すことにもなりかねない。
羽を保護するための脂粉が特徴的。鳥が元気であればあるほど分泌される。甘えん坊ゆえに、何十年も変わらぬ愛情をかけてやれることが長く上手く付き合うコツ。

途中、「亜種」や「基亜種」という表記が出てきます。
簡単に説明しますと、「亜種」はその種類の中で地域や生活にあった適応や変貌をして、
元々の種類とは分類学的に異なる点が明らかになっているもの」を差し、
その種の元として考えられるもの(いわゆるその亜種の元)を基亜種と呼び分けます
・例)コバタン (其亜種)
・・・亜種 マメコバタン
・・・亜種 コガタコバタン
この図鑑では主にペットとして見られる種類を記すものですが、
中にはあまり知られていない鳥や、輸入や繁殖の限られた珍しい種類もいます。
そのような種類も載せましたが決してペットに向いているかどうかを記すものではありません。
鳥の種類の多様性を感じてみて下さい。

白色オウム
和名:  コバタン
漢字:  小巴旦
英名:  Lesser-sulphur-crested Cockatoo
学名:  Cacatua sulphurea sulphurea
ワシントン条約Ⅰ類種
アメリカではタイハクオウムやオオバタンが人気なのに比べ、日本では鳴き声の騒音、住宅事情からこのコバタンが人気。アメリカではアパートメント・コカトゥーなんて言われる。この基亜種(C.s.sulphurea)とあわせて6亜種ほどある。この基亜種のコバタンはホッペの黄色が丸くよく目立ち、チャームポイントになっている。メスはオスのホッペに比べるとやや薄い傾向が多い。虹彩の色の差で雌雄の判別がつくが、メスの虹彩の褐色の完成は生後5才以上かかる。しかしオスは虹彩が識別しにくいほど黒い目をしているのに対し、メスは虹彩の褐色は完成していなくても太陽光線の下なら瞳と虹彩の区別が出来る。また、まれに生後12ヶ月で赤い虹彩を持つメス個体もいる。
全長 33cm
21~24.5cm
平均体重 300~340g前後
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
産卵数 3個
抱卵日数 24~25日前後
巣立ち 70日前後
卵径 41.2×27.1ミリ
亜種 和名:  マメコバタン
漢字:  豆小巴旦
英名:  Lesser-sulphur-crested Cockatoo
学名:  Cacatua sulphurea abbotti
ワシントン条約Ⅰ類種
コバタンという種としてワシントン条約一類に昇格しているのだから、マメコバタンとして購入しても「コバタン」なので条約上の書類は必要である。マメコバタンはコバタンの亜種中、最大種。風貌はコバタンというよりもキバタン。アルーキバタンがいたら、どちらがどちらか分かりにくいだろう。それ位大きさもコバタンとしてはデカイ。でもやはり頭蓋骨と鳴き声はコバタンなのである。さらにはホッペも淡いレモンイエローであまり目立たない。ちなみによく言われるコバタン、キバタンの見分け方のうち、「黄色いホッペの有無(無いとキバタン)」というのは誤りで、ホッペのないコバタン亜種もいると伝えておこう。
全長 40cm
26~27.5cm
平均体重 380g前後
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 3歳以上
産卵数 3個
抱卵日数 24~25日前後
卵径 41.2×27.1ミリ
亜種 和名:  コキサカオウム
漢字:  濃黄冠オウム
英名:  Citron-crested Cockatoo
学名:  Cacatua sulphurea citronocristata
ワシントン条約Ⅰ類種
コバタンとキバタンの中間的な大きさ。コキサカオウムはコバタンの仲間(亜種)である。分かりやすく言うと、大昔、コバタンがスンバ島という離れ島にたどり着き、他のコバタンと隔離されているうちに体が大きく、色が濃くなって、コバタンとは一味違う特徴をもったのがこの亜種である(かなりアバウトね)。コバタンよりもおしゃべりを覚える個体が多く、おしゃべり上手と見た目のよさと個体数の少なさにより、価格はコバタンよりも高めである。

全長 35~38cm
23~26cm
平均体重 330~450g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 3歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 -
和名:  オーストラリアキバタン
漢字:  豪産黄巴旦
英名:  Greater-sulphur-crested Cockatoo
学名:  Cacatua galerita galerita
キバタン中最大種である。初めて輸入した当初、この種指定で本物が入ることは当時としてはかなり稀だったので、飼鳥会の有名な人達がよく見に来られていた。生後半年も経たない幼鳥だったので体長だけ長く、細い体をしていたから偽物だなんて言って帰ったけれど、それからさらに半年たって育った子は体重700~800g程の立派な鳥となった。正にキバタンらしい顔つきをしており、堂々として気品がある。特に大型のオスともなると小さめのルリコンゴウと同じ体重になるので、腕に乗せて連れ歩くにはかなりツライ。他の白色オウムに比べると、鳴き叫ぶ時はコンゴウよりと張り合う声で非常にヒステリックに騒ぐが、その時間帯以外はそんな絶叫が想像できない位に大人しくておっとりしており、ぬいぐるみのようである。購入時はこれにだまされず、鳴き声をきちんと聞いて確認すべし。
左:本種 右:アルーキバタン
全長 50cm
29.5~39cm
平均体重 815~975g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 27日前後
卵径 46.5 x 33.5ミリ
亜種 和名:  ホクゴウキバタン
漢字:  北豪黄巴旦
英名:  Greater-sulphur-crested Cockatoo
学名:  Cacatua galerita fitzroyi
今までこの種類として紹介されている数々の個体の実物と画像を見てきたが、その中には非常にアオメキバタンによく似た外見のものと、オーストラリアキバタン(基亜種)によく似た外見のものがいる。実際には、ぱっと見てアオメじゃないか?と思うのが本来の北豪キバタン。むしろアオメとの外見的区別が難しいくらい似ている。だが、元来オーストラリアキバタンの亜種なのだからドチラにも似ている個体がいてもおかしくない。目の周りの裸部はアオメほどではないが、他のキバタンよりは明らかに青白い。嘴は基亜種よりも四角く幅がある。この北豪キバタンの冠羽はオーストラリアキバタンと同様の開き方であり前後にのみ冠羽が開く。一方、アオメキバタンは冠羽とその周りの羽までが広く丸く、横に開く。
左:本種  右:タイハクオウムオス
全長 48cm
29.5~35.5cm
平均体重 780~810g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 39.4×31.0ミリ
亜種 和名:  アルーキバタン
英名:  Medium-sulphur-crested Cockatoo
学名:  Cacatua galerita eleonora
コバタン、キバタンに比べると中位の大きさ、と言う事で中バタンという小鳥商名のある鳥。その抽象的な呼ばれ方の鳥の中には、体の大きさ等のばらつきを感じたので、おそらくマメコバタンやアルーキバタンを含めて中バタンとしたのだろう。アルーキバタンはコキサカオウムと似た大きさだが、体が細く、そのひょろっとした体型は私はいつも細カナリアを連想してしまうのだ。よく似ているマメコバタンとの区別は大きさだけでなく、雰囲気や性質が異なる。しかしこれをまた説明するのが難しい。顔つきが違うのだが、どう違うのかが上手く言えない。しかし鳴き声はやはりキバタン、ちょいと金切り声がキツイ。
全長 44cm
26~29.5cm
平均体重 450~500g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 -
卵径 -
亜種 和名:  アオメキバタン
漢字:  青目黄巴旦
英名:  Triton Cockatoo
学名:  Cacatua galerita triton
白色オウムのなかでは物真似を覚える能力が高いので人気のある種類。たいていのアオメは、ハズレなく喋っていた。ただし雄たけびも中々すごい。オスは頭が大きいので体格がより大きく見えて立派だが、メスは頭が小さくて顔も小作りなので繊細なイメージ。でもやることはどっちもまたスゴイ。威嚇時は、黄色い換羽以外に頭全体の羽毛も横に広がる。正面から見るとエリマキトカゲが襟を開いたようだ。抱っこして、この頭の長めのふわふわ羽毛に手を突っ込んでカキカキしてやると、鳥もウットリだがコチラも癒される。そして白い天使にその黒い瞳で見上げられると、もうメロメロになる。・・・だが中身は怪獣だぞ。オオアオメキバタン(Cacatua galerita kwalamkwalam)という亜種があり翼長 318mm~354mmになり、体も一回り大きい。
全長 45.5cm
26~35cm
平均体重 550~650g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 -
和名:  タイハクオウム
漢字:  大白オウム
英名:  White Cockatoo
学名:  Cacatua alba
ペットバードとしてのコンパニオン性は申し分ない。しかし、鳴き声はかなり大音量。じゃあ、体の小さいコバタンのほうが静かか?というと、タイハクのほうがおっとりしていてしょっちゅう鳴くことは少ない。コバタンのほうがチャカチャカしていて、何かにつけてギャーってなもんである。しかしながら白色オウム、一度鳴くと止まらないところはかなりの覚悟が必要。静かな子もいるが、基本的には鳴いてアピールするほど元気ってことだから。触られるのが大好きで、この仲間では人見知りも少なく言葉も覚える。白い傘状のカンムリは大きくて横幅もある。威嚇時はさらに目の後ろから後頭部までの羽も横に広げて、お面のような顔デカになる。
全長 45cm
30cm
平均体重 500~630g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 40.5 x 30.5ミリ
和名:  オオバタン
漢字:  大巴旦
英名:  Molucan Cockatoo
学名:  Cacatua molucensis
ワシントン条約Ⅰ類種
アメリカでは普通に繁殖物が売られているが、日本では条約以前に輸入された個体をたまに見る程度で少なかった。しかし特定の繁殖場に書類申請が通るようになったので正規輸入が可能である。また日本生まれの国産個体も少しずつ出てきた。ヒナで手に入れられるのだ。もちろんお値段は高い。だがそれ以上にオオバタンは手強い。雄叫びと破壊力は日本で手にはいるオウムの中では一番強いため、やむをえず手離すケースが多く、日本各地を点々と売られ買われで移動してきた年齢不明のオオバタンも多いのでは?実際に飼い主が何度も変わった個体を何羽も見ている。飼う場合はまずその雄たけびを聞くべし。
全長 50cm
31cm
平均体重 840~890g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは褐色だが他種より区別しにくい
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 50.0×33.4ミリ
和名:  ルリメタイハクオウム
漢字:  瑠璃眼大白オウム
英名:  Blue-eyed Cockatoo
学名:  Cacatua opthalmica
黄色い冠羽はタイハクやオオバタンのように後方へ垂れさがる。この種にあやかってか、アオメキバタンをルリメキバタンなんて言ってる店もあるが、この種はキバタンとも全く違う独立種。目の周りの裸出部はアオメより濃い。虹彩は褐色。とにかく飼育されている個体数が少ないため、繁殖はもちろん、目にする機会も少ない。私が90年代後半にこの鳥の噂を聞いた時には、日本に2羽の存在だけであった。
全長 48cm
30cm
平均体重 500~600g位
雌雄差 -
性成熟 4歳以上
産卵数 1~2個
抱卵日数 28日前後
卵径 52.0×31.5ミリ
和名:  モモイロインコ
漢字:  桃色インコ
英名:  Galah
学名:  Cacatua roseicapilla roseicapilla
3亜種知られいる。亜種によって桃色からワインレッドまで色合いに差があるが地域によっても差があるらしい。物真似は、幼児っぽい発音だったり、かすれ声だったりするがよく覚える。他の白色オウムのような金切り声の「ぎょえ~!」ではないが「きりりりっ、ぎょい~!!きゃぴー!」という甲高い声をだす。決して「白色オウムの中では静かな鳥」とは言えないと思うのだが・・・。オス成鳥では目の周りのまぶたの部分がピンク色になりニキビ状になるが、亜種によって出かたに差はあり。現地ではハトのように歩きながら草の種を食べ、粗食である。よって脂肪餌を主食とすると太りやすい。胸のピンクを残し、背中などのグレーが白色に退色した品種が私の持っている1987年出版の洋書ですでに紹介されていた。繁殖期前には動物性たんぱく質を与えると成績が良い。
全長 37cm
27cm
平均体重 300~330gほど(C.r.r.)
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 2~5個(9個記録有)
抱卵日数 22~24日前後
卵径 35.3×26.5ミリ
和名:  クルマサカオウム
漢字:  車冠オウム
英名:  Major Mitchell's Cockatoo 
・・・  Leadbeater's Cockatoo
学名:  Cacatua leadbeateri leadbeateri
2亜種あり、もう一つは C.l.mollis 。こちらは基亜種よりやや大きく、冠の黄色が少ないか、ほとんど無くて赤一色に染まるかである。神経質で人慣れしにくいという評判の立つ鳥だが、その鳥の性格と育て方によって人慣れ度合いは異なるだろう。扱った個体ではオスはおしゃべりをした。色は同じ誕生日の個体でもやはり、オスのほうがピンクがやや濃いようであったが冠は変わらず。繁殖期には繁殖前から終わるまで動物性たんぱく質を与えたほうが良い。シャイな印象が強いが、中々可愛いものである。だがやはり、白色オウムの経験がある飼い主のほうが、この鳥の感情を読み取りやすいかもしれない。白色の中では控えめなアプローチだからだ。でもウルサイ時はうるさい、決して声が静かだといっているのではない。コバタンのギャーーーという声とは違い、甲高い悲鳴みたいな声を出す。
全長 38cm
27cm
平均体重 300~435gほど
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色だが他種より区別しにくい
性成熟 3~4歳以上
産卵数 2~4個
抱卵日数 26日前後
卵径 39.1×29.5ミリ
和名:  アカビタイムジオウム
漢字:  赤額無地オウム
英名:  Bare-eyed Cockatoo
・・・  Little Corella
学名:  Cacatua pastinator sanguinea
 
下記のシロビタイムジオウムとよく似ており、昔は亜種として同種扱いされていた。シロビタイ同様、言葉も覚え、絶叫が少なく、しつけのしやすい種類。目の周りの裸部は成鳥になるにつれ、紫がかってハッキリと目立つようになる。亜種によっても裸部の大きさなどは若干異なる。最初はその裸部の異様さに可愛げも感じられない人が多いだろうが、付き合っていくと賢さゆえの哲学者顔に見え、愛嬌を感じるものである。「はぅ~」というため息みたいな鳴き声をだす。現地ではかなりの数の群れとなって暮らす。この鳥の通った後は作物がかなりのダメージを受けるので農作物業者には嫌われ者。ブリーディングされて輸入されるアカビタイはほとんどニューギニアにすむ亜種(C.s.transfreta)という。アカビタイの亜種の中には体重850g近い大型種もある。
全長 40cm
28cm
平均体重 330~430g位
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 23~24日前後
卵径 38.8×28.5ミリ
和名:  シロビタイムジオウム
漢字:  白額無地オウム
英名:  Goffin's Cockatoo
学名:  Cacatua goffini
ワシントン条約Ⅰ類種
この種がワシントン条約Ⅰ類種にあがり、輸入が難しくなったことに関しては非常に残念。Ⅱ類からⅠ類に上がる前に輸入した個体は大変可愛らしく、そして大変賢こく、言葉もよく覚えた。雄叫びも多少はあるものの、金切り声や絶叫では無いので、日本でも飼いやすいオウムとしてオススメだった。私の扱った個体は羽切りをせず、掃除中は自由に飛ばし、掃除が終わって「終わったよ」と言うと自分で飛んでケージに帰るという事を容易に覚えた。白色オウムの中では体が小さいほうなので、ペットとしても扱いやすくてアメリカでは人気も高い。オスに対してメスが一回り小さい傾向がある。
全長 35cm
26cm
平均体重 240~300g前後
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 38.4×28.4ミリ
和名:  テンジクバタン
漢字:  天竺巴旦
英名:  Slender-billed Cockatoo
・・・  Long-billed Cockatoo
学名:  Cacatua tenuirostris tenuirostris
土を掘る習性がある。それであの嘴か、と納得できる。最初はなんじゃコリャという顔つきに「オウム」という可愛さが欠けてちょっと引いてしまうが、見てるとなかなか味わい深くコミカルで可愛く見えてくる。アカビタイムジオウム同様の賢さをもっているようで、芸達者な子もいるようだ。さらにはこの顔で「ハロー」なんて言われたら、ついつい受けてしまいそう。亜種があって喉元の赤色が若干違う。
全長 40cm
28cm
平均体重 482~650gほど
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 23~24日前後
卵径 33.2 x 25.1ミリ
和名:  フィリピンオウム
漢字:  比律賓オウム
英名:  Red-vented Cockatoo
学名:  Cacatua haematuropygia
ワシントン条約Ⅰ類種
和名では別名 「アカハラコバタン」 ともいう。
全体的にクリーム色がかっていて、他の白色オウムには無い優しい色合いを出している。尾羽の下にはオレンジ色があり、英名の由来となる。鳴き声もまた他の白色とは違っていて雄叫びらしき声は無い。「ぐぇぐぇぐぇ」という、しゃがれ声がベースで、叫ぶときは「ぐぇぐぇぐぇ~!」となる。
全長 32cm
22cm
平均体重 280~340gほど
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 24日前後
卵径 37.7 x 26.7ミリ
和名:  ソロモンオウム
英名:  Ducorp's Cockatoo
学名:  Cacatua ducorps
真っ白なボディに青白いくちばしとアイリングがより純白のイメージを強調している。よく見ると羽の基部に少しオレンジがかったクリーム色もあるのだが。雄叫びもキバタンなどのような絶叫ではなく賢い種類だが、繁殖が難しくて個体数が少なめ。繁殖の場合、オスの気性が激しくメスを傷めてしまう場合が多い。また雛はたいてい1羽しか育たないらしい。冠羽はタイハクオウムの冠が短く中途半端になったような形。アカビタイムジオウムのように指が長く、私の扱った個体では器用に足で物を使う遊びを覚えた。
全長 34cm
25cm
平均体重 290~415gほど
雌雄差 オスは虹彩がほぼ黒、メスは赤~褐色
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 37.5×26.7ミリ
黒色オウム
和名:  テリクロオウム
漢字:  照黒オウム
英名:  Glossy black-Cockatoo
学名:  Calyptorhynchus lathami
テリクロのテリは「照り」。黒い羽に緑色の光沢がある野生では数メートルまで近づいても割と恐れずに餌を食べていることが多いとか。これら黒色オウム類はコーンや松ぼっくりのような形状の実を剥いて食べるのに適した嘴をしている。この種は他の黒色オウムに比べて明らかに体が小さい。鳴き声はギャーというよりはキーキーで可愛い。メスは頭や頸部に黄色斑があり、尾羽の裏側の赤色は黒い縞模様がある。この縞模様は年齢によって減る傾向がある。
メス
全長 50cm
31.7~37cm
平均体重 422~430g位
雌雄差 オスは褐色がかった黒羽、メスは頭に黄斑
性成熟 4歳以上
産卵数 1個
抱卵日数 28日前後
卵径 44.3 x 33.7ミリ
和名:  アカオクロオウム
漢字:  赤尾黒オウム
英名:  Red-tailed black-Cockatoo
学名:  Calyptorhynchus magnificus magnificus
本属中、最大種。原産地のオーストラリアでは、冬期には大きな群れで飛び、かなりインパクトが強い。テリクロオウムとよく似ていて、遠くからでは大きさでも見分けにくいがそんな時はメスをみる。幼鳥はメスに似た色で、4歳越してようやくオスの羽色に完成する。コバシクロオウムC.m.samueli、ニシクロオウムC.m.naso、ハシブトクロオウムC.m.macrorhynchusの亜種がある。ハシブトで平均体重620~870gである。
メス
全長 67cm
39~45cm
平均体重 700~740g位
雌雄差 オスは黒羽、メスは褐黒で黄色斑や橙黄の羽縁がある。
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
卵径 51.1×36.5ミリ
和名:  キミミクロオウム
漢字:  黄耳黒オウム
英名:  Yellow-tailed black-Cockatoo
学名:  Calyptorhynchus funereus
ほとんど樹上で採食し、種子はもちろん樹皮やその中に住む虫まで食べる。地面におりて餌を探すのはきわめて稀。キミミと下のオジロは同じ種類の亜種とされていたが今では別種とされている。野生ではたいてい2個産卵するが、1個目と2個目の間が4~7日あく事が多く、二羽目は育ちにくい。巣立ちは生後10週、76日の記録もあるが90日の記録もある。この黒オウム類は雌雄で羽色に違いがあるが、嘴の色も少し雌雄差がある。オウム類では珍しいのではないだろうか?たいていオスは灰色系で、メスは角色である。
メス
全長 65cm
40cm
平均体重 749~900g位
雌雄差 メスでは尾の黄斑に縞模様が入る。
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 29日前後
卵径 49.9 × 34.7ミリ
和名:  オジロクロオウム
漢字:  尾白黒オウム
英名:  White-tailed black-Cockatoo
・・・  Long-billed black-Cockatoo 
学名:  Calyptorhynchus baudinii
木の上で種子などの餌をとる他、地面におりて草などを食べることも多い。そこがキミミと違うところ。さらにこのオジロの中で、ロングビル(本種)とショートビル(Calyptorhynchus latirostris)という2亜種あるが、これらの違いは、餌の種子の好みによってクチバシの形に差が出ている。名前の通り、先の長い嘴のものと、幅広の短い嘴のもの。冬は2種類が混ざって大きな群れになるのだとか。ちなみに原地のガイドブックにも「2種類を外見ですぐ判別するのは簡単じゃないよ」って書いてあった。
メス
全長 60cm
38cm
平均体重 540~790g位
雌雄差 メスでは尾の白斑に縞模様が入る。
性成熟 4歳以上
産卵数 3~4個
抱卵日数 29日前後
卵径 49.9 × 34.7ミリ
和名:  アカサカオウム
漢字:  赤冠オウム
英名:  Gang-gang Cockatoo
学名:  Callocephalon fimbriatum fimbriatum
人に慣れ、時には数語を覚えるとある。「餌が充分足りすぎると羽抜きの悪癖が起こる」という文献があるほど毛引きの多い種である。名前は鳴き声からの由来。カンムリは他の種類と違って独特で、ちょうどクリスマスなどの飾りのキンキラモール(金とか銀のフサフサした長いビニール)のようにクリクリとよじれている。メスは赤い顔をしておらず、腹部などに黄色のシマ模様がより濃くギザギザに入っている。ウスアカサカオウムC.f.superiorという亜種あり。割と特定の種子を好む傾向がある。
メス
全長 35cm
25cm
平均体重 210~334gほど
雌雄差 オスは額にマスク状の赤い羽毛、メスは無い
性成熟 3~4歳以上
産卵数 2個、稀に3個
抱卵日数 30日前後
卵径 35.8 x 27.5ミリ
和名:  ヤシオウム
漢字:  椰子オウム
英名:  Palm Cockatoo
学名:  Probosciger aterrimus aterrimus
ワシントン条約Ⅰ類種
この種は卵の大きさによって孵化日に差があり、大きい卵で29~32日、小さい卵で28~29日だそうだ。そんなところからも不思議な魅力を感じる鳥。成鳥オスのディスプレイは独特かつ幻想的で、まずおじぎをし、翼を広げ片足を踏みならし、ゆっくりと堂々とアピールする。時には片足に棒切れをもって叩いて音を鳴らしてディスプレイするものもある。実際に私がこの鳥にディスプレイしてもらったときには何か神秘的なものを感じた。開いたままの口は、頬と舌で閉じれるんだよ。基亜種としてのヤシオウム(P.a.aterrimus)の他に、ホソサカヤシオウム(P.a.stenolophus)、フトサカヤシオウム(P.a.goliath)などがあり、基亜種より大型(全長680mm)である。
全長 60cm
30.5~39cm
平均体重 500~1200g
雌雄差 メスはオスより上嘴が短く小さい
産卵数 1~3個
抱卵日数 28~35(?)日前後
卵径 48.9×36.5ミリ
巣立ち 約95~110日位


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