アケボノインコの仲間
一頃、マンションでも気兼ねなく飼える静かなコンパニオンバードとして流行ったアケボノインコ。見かける種類はアケボノインコ、ドウバネインコ、メキシコシロガシラ、スミレインコ、アケボノモドキで、他の種類は写真すらナカナカお目にかかれないものもある。
静かな種類と絶賛されたが期待しないでほしい。結構おしゃべり好きだが、ダミ声気味。それに、思い出したかのように時々ヒステリックにビャ~ビャ~鳴いてみることだってある。ドアを突き抜ける音量ではないものの、いつも大人しい訳じゃない。
叫ぶ時だってあるさ。そんな時は止まらない。はしゃぐ時と静かな時のギャップが激しい、二重人格。
つぶらな瞳にはすべてを許しそう・・・。

途中、「亜種」や「基亜種」という表記が出てきます。
簡単に説明しますと、「亜種」はその種類の中で地域や生活にあった適応や変貌をして、
元々の種類とは分類学的に異なる点が明らかになっているもの」を差し、
その種の元として考えられるもの(いわゆるその亜種の元)を基亜種と呼び分けます
この図鑑では主にペットとして見られる種類を記すものですが、
中にはあまり知られていない鳥や、輸入や繁殖の限られた珍しい種類もいます。
そのような種類も載せましたが決してペットに向いているかどうかを記すものではありません。
鳥の種類の多様性を感じてみて下さい。

和名:  アケボノインコ
漢字:  曙インコ
英名:  Blue-headed Parrot
学名:  Pionus menstruus menstruus
おとなしくて飼いやすくアパート飼育可能な鳥として流行って人気があった種類だが、決していつもおとなしいわけではなく、ビャアビャアと甲高く鳴いて止まらない時もある。小さなボウシインコと表現されるが、おしゃべり上手という事ではなく、のそのそした動作が似ているという事。特にオスの誇示アピールなどは、翼を半開きにしてケージの天井をゆっくり歩きまわるなど、ボウシに非常によく似た仕草をする。アケボノは亜種として2亜種あるが亜種間だけでなく大きさや色に個体差あり。ニシアケボノ(P.m.rubrigularis)は喉のピンクが濃く、青はややパールがかった鈍い色で、小型。アオアケボノ(P.m.reichennowi)は青が胸や上腹まで拡がっており、尾の付け根部分も青色が混ざる。さらにはくちばしも象牙色に近くて嘴の脇部分のピンク色は表れないので、一見でイメージの差が分かりやすい。
全長 28cm
19cm
平均体重 250g前後(230~295g)
若鳥 頭部の青味が薄く、くちばしの赤班も薄いか目立たない
卵径 31.5 x 25.1ミリ
産卵数 3~4個
抱卵日数 22~24日前後
巣立ち 60日前後
和名:  ドウバネインコ
漢字:  銅羽インコ
英名:  bronze-winged Parrot
学名:  Pionus chalcopterus chalcopterus
アケボノよりもやや大きめの個体が多い。全体的に濃紺で一見地味に思うが、翼部分などに銅色の金属光沢がのり、渋めの色合いの中にも目をひくものがある。渋いだけかと思いきや翼の裏はハッとするようなスカイブルーである。コドウバネ( P. c. cyanescens) という亜種があり、やや小型で銅色が濃厚。目の周りのまぶた部分や喉元のピンク~白のウロコ模様も個体差がある。ちなみに、この差が地域差ではないかという説もあるが、決して雌雄差ではない。右の画像にマウスを当てると銅色の翼が理解できるだろう。
全長 28cm
20cm
平均体重 210g前後
雌雄差 外見差特になし
卵径 29,3 x 23,7ミリ
産卵数 4~5個
抱卵日数 26日前後
巣立ち 60日前後
和名:  メキシコシロガシラ
漢字:  墨国白頭
英名:  White-crowned Parrot
学名:  Pionus senilis
チープなアケボノ属として輸入された種類だが、いまいち名前を覚えてもらえず、「シロガシラインコ」とか(それって別種)、「シロガシラメキシコインコ」とか(それってメキシコインコになっちゃうよ)の名前で誤って売られていた。目が大きくて渋い中にもたくさんの色が散らばっていて可愛い鳥なのに。小さくてもちゃんとアケボノ属の動きをしていて存在感もあり。だけどやっぱり体が小さい事がネックなのか、ちょっとスネちゃう時もある。普段は静かだけどスイッチが入るとうるさいほどノリノリになって興奮したり、かと思えば突然我に返って冷静になってみたり。
全長 26cm
18cm
平均体重 195~230g程
雌雄差 外見差特になし
卵径 34.9 x 25.4ミリ
産卵数 3~4個
抱卵日数 26日前後
巣立ち 60日前後
和名:  スミレインコ
漢字:  菫インコ
英名:  Dusky Parrot
学名:  Pionus fuscus
ドウバネインコをさらに渋くしたような色合い。私的には、「ドウバネが隣の白色オウムの脂粉のせいでホコリっぽくなっちゃったよ・・・」ってイメージ(^^;)おなかの色は、ブドウの粒ごとに微妙に違う色合いのグラディーションみたい。パッと見、渋くて地味な鳥だけれど、逆に飽きのこない和風の色彩。ダスキーとは失礼な話だ。この色合いを画像で表すのは難しい。アメリカのピオヌスサイトでは、強い日差しの中で見ると虹色のようなグラディーションだといっている。
全長 22~27cm
16.5cm
平均体重 179~225g前後
雌雄差 外見差特になし
卵径 34.0 x 27.5ミリ
産卵数 3個
抱卵日数 26日前後
巣立ち 70日前後
和名:  アケボノモドキ
漢字:  擬曙
英名:  Maximilian's Parrot
学名:  Pionus maximiliani maximiliani
Scaly-headed parrotともいう。ちょっとヨーロッパ的(?)な、紫と緑の配色のアケボノ属。精錬された色に見えるのに「もどき」なんて失礼な。アケボノ属のポピュラー種の中では大きめ。亜種としてウスイロアケボノモドキ(P.m.siy)が青銅色が強く、コイアオアケボノモドキ(P.m.melanoblepharus)は顕著に大きく、オオアケボノモドキ(P.m.lacerus)は色彩的にはほとんど変わらず・・・などと言われるが、アメリカにおいて、亜種別管理された繁殖がなされているかは定かではない。卵は初めの卵から抱卵する。
全長 27~31cm
18cm
平均体重 230~290g前後
雌雄差 外見差特になし
卵径 32.2 x 24.4ミリ
産卵数 4~5個
抱卵日数 26日前後
巣立ち 60日前後
和名:  ヨゴレインコ
漢字:  汚インコ
英名:  Sordid Parrot
学名:  Pionus sordidus sordidus
本種と下記のサンゴバシインコを含んで6亜種ある。これらはさらに、同じ地域のもの、または同じ一腹の子でも色彩的に差があることがあり、亜種の分類を難しくしている。特にヨゴレインコよりも亜種であるサンゴバシのほうが少ないながらも飼育されており、基亜種である本種ヨゴレインコよりも名が知られている。他の亜種はヨゴレインコ~サンゴバシインコの中間的な色彩である。しかし「汚れインコ」とはいかなるものか。和名があまりに酷すぎるのだが、実は英名も訳すと「汚い」とか「くすんだ」とかの意味。・・・ひどいっ。 NO PHOTO
全長 27cm
18cm
平均体重 255~275g前後
卵径 33.0 x 22.7ミリ
産卵数 3~4個
抱卵日数 26日前後
開眼・羽毛 生後20日すぎ
巣立ち 80日前後
亜種 和名:  サンゴバシインコ
漢字:  珊瑚嘴インコ
英名:  Coral-billed Parrot
学名:  Pionus sordidus corallinus
写真で見るとアケボノモドキの配色に似ており、少し明るめの緑と青味のある色合いで、サンゴのようなツヤのある嘴が印象的。日本でのサンゴのピンクのイメージではなく、真っ赤なサンゴである。ボタンインコの嘴のようだ。虹彩は黄色。繁殖では、メスが初めの卵から抱卵を開始し、オスがメスに餌を運ぶ。生まれた雛はクリームホワイトのふわふわなダウン羽に包まれている。目がはっきり開き、ピンフェザーが生えてくるのは生後20日ごろ。以前では洋書でもインターネット上でも中々見られなかったが最近では少ないながらも画像が見られるようになってきた。
全長 29cm
20cm
平均体重 250~275g前後
卵径 33.0 x 22.7ミリ
産卵数 3~4個
抱卵日数 26日前後
開眼・羽毛 生後20日すぎ
巣立ち 80日前後
和名:  バライロガシラ
漢字:  薔薇色頭
英名:  Plum-crowned Parrot
学名:  Pionus tumultuosus
アメリカでも飼育数は少ない。特に手乗り用となるとアケボノ属専門のブリーダーの中でもさらに数少ない。大きなアビアリーでも飼育されている事は少なく、わずかに個人レベルののコレクションでいるのみである。ローロパークには飼育されている。飼育数が少ないのは、現地からの輸入輸送時のストレスによって、大半がアスペルギルス症に冒されると記されているものもある。・・・そう、アケボノ属は確かにアスペルギルス症を多く見かける鳥種である。ストレス起因での発症が多いと言われる中で、特に神経質な種類なのだろうか。生まれたての雛には白いふわふわダウン羽に覆われているが、生後7日目には無くなり、生後20日目あたりには開眼とピンフェザーが見られる。
全長 28cm
18cm
平均体重 220~240g前後
亜種 なし
産卵数 3~4個
抱卵日数 26日前後
開眼・羽毛 生後20日すぎ
巣立ち 60日前後
和名:  シロガシラインコ
漢字:  白頭インコ
英名:  White-headed Parrot
学名:  Pionus seniloides
私のもっているほかの書籍ではシロガシラモドキという名前で載っている。モドキというからには本物がいないと話にならないような気がするのだが、その本には本物は無い。学者によっては上記のバライロガシラの亜種であるという説もある。確かに顔の紫色の欠如以外は外見的によく似ており色彩以外の違いが無いことから、地域を隔てて同一の種から分化したものという考えが最近の説として有力である。学者による確かな観察は確認されていないが、シロガシラはある時期、季節的移動をするといわれており、それが分化した一要因ではないかとも言われる。現地の観察では鳴き声、鳴き方までもバライロとほぼ同じという。
全長 28cm
19cm
平均体重 230~270g前後
卵径 39.4×31.0ミリ
産卵数 3~4個
抱卵日数 28日前後
開眼・羽毛 生後20日すぎ
巣立ち 60日前後


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